老化と美容

老化は美容の天敵です。

いつまでも20歳の頃のような若さがあれば、美容なんて気にする必要がないのですが…。

老化を遅らせることができれば、それだけ長く若く美しい肌を保つことができるでしょう。

 

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以前にも、お話ししましたように、中医学は宮廷医学つまり王様のための医学ですから、不老長寿も治療のテーマです。

では、中医学で老化をどう考えているのでしょう?

 

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へたくそなイラストですいません。
14年間患者さんの容態説明に使っているホワイトボードで、汚れがめだちます。

中医学では、腎(じん)と呼ばれる臓器が、私たちの成長と老化を調節していると考えられています。
成長と老化は、腎の中に蓄えられている精(せい)の量で決まります。

生まれてくるときには、両親から先天の精を与えられています。
誕生後は、後天の精を作り出し、生きていきます。

後天の精の作り方は、イラストの赤線で示すとおり、清気(酸素)と水穀の精微物質(栄養素)を、それぞれ肺と脾に取り込んで、運化(うんか)と呼ばれる消化吸収の働きによって、気や血を作っています。

気血は全身に送られると共に、余りは後天の精という形で、腎に精が補充されていきます。

私たちの身体は成長にともなって、蓄えられている腎精が充実してくると性ホルモンが湧き、子供が作れる身体になります。

その後、女性の場合は30代後半から徐々に腎精が減少し、50歳前後で急激に減少してきます。

これが更年期に相当し、一気に老化が進むのです。

 

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では、少しでも老化を遅らせて、若々しい肌を保つには?

先天の精はどうしようもありませんが、努力次第で後天の精を増やし、腎を充実されることで、若く美しい肌を保つことができます。

 

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空気中の清気を取り込むのは、呼吸です。
無意識下でも呼吸を行っていますが、寝る前に深呼吸をしましょう。

精を作る主たる臓器は、脾(消化吸収の働き)です。
ゆっくり時間をとり、良く噛んで食べましょう。
加工食品には、気ははいっていません。
できるだけ、手作りで、栄養のバランスを心掛けた食事をとりましょう。

美容を追求するなら、鍼灸治療や漢方治療と共に、生活習慣の見直しがとても大切です。