ブラックジャックは実存できるか?

少年時代、手塚治虫さんのブラックジャックを読んで、医師を目指す若者も少なくはなかったかもしれません。
手塚治虫さんは漫画家である前に、大阪大学医学部を卒業され、医師免許を持った医学博士でもありました。

ひどい火傷を負ったブラックジャック少年に、移植に必要な皮膚を提供してくれたのは、肌の黒い少年だけだったという過去を持つ医者が、難病を治療する話だったと思います。
ところで、皮膚は身体の内部と外界、つまり自分と自分でないものを分けている境界線で、国と国が接する国境線のような存在です。
竹島や尖閣諸島の問題で明らかなように、国境線付近は他国からの侵入を阻止するために、軍事的に重要なラインです。

皮膚も同様に、何段階もの防衛システムが備わっています。第一が皮膚のあぶら(皮脂)と常在菌、第二が表皮細胞が死んでできる角層と呼ばれる壁、そして、第三が表皮の中にあるランゲルハンスという免疫に関係する細胞です。

ランゲルハンス細胞は樹状細胞と呼ばれ、木の枝のような突起をたくさんを持っています。
細菌・ウイルスなどの異物が、皮脂、角層などの物理的バリアーを突破して、この枝にひっかかると、ランゲルハンス細胞は、リンパ球に異物侵入を伝えます。すると、免疫システムが一斉に働き出し、異物を排除するのです。
皮膚は外界と接する部分なので、身体の中でも、免疫システムが非常に活発に働く場所です。

心臓、肝臓、腎臓などは、免疫抑制剤などを使って移植することは可能ですが、皮膚は免疫拒絶が激しくて、他人の皮膚を移植する「同種移植」は不可能なのです。

ですから、ブラックジャックの皮膚移植は、現在の医学では、多分できないと思いますよ。

私のところにも、アトピー性皮膚炎の患者さんは良く相談にお見えになります。これだけ、免疫システムが活発な場所ですから、アレルギー反応が出やすいのも当然です。

皮膚炎の治療は、一枚の鏡を磨くのと同じです。表面を保護、治療するだけでなく、内側からは身体のバランスを整えて、免疫システムの働きを整えてあげる必要があるのです。

だから、皮膚のトラブルには、睡眠、食事、運動、ストレスなどの生活習慣が影響するのですね。

投稿日時2014年2月15日にアメーバブログに投稿した記事を、当ホームページ「健康、美容鍼灸最前線」に引っ越ししました。

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