酸化と老化

私は、東洋医学の仕事を始める前、お気楽なサラリーマンでした。

 

時はバブル真っ盛り、勤務する会社は東証一部上場を果たし、株価もうなぎ登り!

 

お陰で、私が所属していた研究部の開発費は潤沢でした。
朝から晩まで研究室の一角にこもって、せっせとサイトリアクターと呼ばれる細胞培養装置を作っていました。

酸化と老化

この装置、養鶏舎でエサを与えながらニワトリに卵を産ませる如く、化学合成では作れない免疫物質などの生理活性物質を、ヒトの細胞に培養液を与えて作らせるのです。体内に近い環境を作り出せるように、サイトリアクターには、人口の肺・心臓・毛細血管などや、老廃物を廃棄する腎臓も付けました。

写真は人口透析装置ですが、培養容器もこれに良く似ていて、細胞が増殖し易いように、そして作られた物質が流れていかないよう工夫されていました。

ニワトリが白血球、鶏舎が写真のような培養容器です。毛細血管のような管に、エサに当たる培養液を流します。

糞尿に当たる老廃物も回収できますし、欲しい卵に相当する生理活性物質も回収できる夢の装置でした。

 

がんばって、特許も取ったのですよ!もう切れてしまっていますが・・・。

 

前振りが随分長くなりましたが、ここから本題です!

ヒトの細胞培養でおもしろいのは、大気中の酸素の濃度は20%位なのに、先の培養装置のように丸裸にされた細胞は約5%の低酸素の条件でないと上手く育たないのです。

酸素がないと生きていけないのに、なぜでしょう?

生命が誕生した当時の地球には、ほとんど酸素はありませんでした。
荒野の地で、硫化水素などを食べて、細々とエネルギーを作っていました。

今日のように、地球上に酸素が増えてきたのは、まず、葉緑素を持った生物が繁殖し、二酸化炭素を酸素に変えていったからです。

その頃、酸素を使って効率良く、エネルギーを作る生物が現れました。
ミトコンドリアです。
ミトコンドリアはブドウ糖と酸素を使って、効率の良いエネルギー生産を行うことができました。

私たちの祖先はこのミトコンドリアに目を付け、なんとを自分の中に閉じ込めてしまいました。

こうして、私たちを含めた様々な生物は、酸素で沢山のエネルギーを獲得できるようになり、地球上で反映することになりました。

しかし、生命が現れたころの私たちの祖先は、酸素がない環境だったので、元々酸素には弱いのです!

酸素毒性があるのです。

酸素毒性とは?

酸素が体内に取り込まれると、酸素は電子を奪って酸化します。
ですが、電子が不足すると、すぐに活性酸素となって酸化力の強い活性酸素になってしまいます。

体内での酸化は、すなわち老化になります。

体内には活性酸素を消す働きの酵素が備わっていますが、40歳を超えた当たりから減少します。
これが、皮膚の老化の大きな原因の一つと言われているのです。

 

どうでもいい、自分の前職について長々と書いてしまったので、時間切れになってしまいました。

続きは、次回に!是非、読んで下さいね。